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「馬鹿を言っておられるのは代表です!
俺は単なる機械です。
見た目こそ貴女の愛したアスラン・ザラを模して
人じみてお感じになるのでしょうが、
血肉の通った人間ではありません。
俺は貴女の恋人の劣化版コピーです。
情に脆いのも大概にして下さい」

割り切ってくれとアレックスに言われ、カガリが大粒涙を散らした。
「言うに事欠いて知った風なことを……。
ふざけるなっ、馬鹿はおまえだ!
割り切れだって?
そんなことできるわけがないじゃないか!!

そもそもが、おまえ相手に
気持ちを割り切る理由なんか、私にはないっ。
いいか、よく聞け。
私はおまえを機械だなんて思ったことは……」

そこまでを抑えた声で搾り出すように言い切って、
泣き笑いのような表情になると、
カガリはアレックスの頬を華奢な両手で
守るように包み込んだ。

「……あいつ、知ったら怒るだろうな」

こんなにも追い詰められた場にあって、
何故だかどこか楽しげに、
愛らしく笑うカガリを見つけ、
アレックスが胡乱な眉を引き寄せる。

そんな彼へと甘く優しく微笑んで、
カガリが小さな囁きを落とした。

「ごめん、アスラン。
でもやっぱり黙っているのは私には無理だ。
第一おまえに対してフェアじゃない。
アレックスも、ごめんな?この際だから白状するよ。
おまえは私が恋した人だ。
だから、勝手を承知で言わせて貰う。
おまえまで一人で逝くのは許さない」

「だい、ひょう……?」
アレックスの瞳が呆然と見張られる。

「すまないな、アレックス。
おまえとしたら想定外の話だろうが、
悪いがこれは真実だ。
それに決して作為じゃないんだろうが、
元はと言えば愛する男を最悪の形で失って、
弱ってた私に
そいつそっくりの外見と中身で
揺さぶりを掛けてきたのはおまえだぞ?」

言いながら、戯れめかして
自身の輪郭を辿るカガリの指に、
アレックスが瞳を揺らし動きを止めた。

「そう言ったわけだから、あちらでアスランに会ったなら、
私と一緒に叱られてくれ。
それまでは独断で逝くなど許さない。
おまえにしたら寝耳に水の話だろうが、
この件に関しておまえは私の
ある意味共犯なんだから」

悪戯に微笑む主から掠める口づけを贈られて、
アレックスは無言でカガリを見つめた。



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