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こちらはSparkで領布させて頂いた新刊
『奇跡のようにありふれた~秘密~』にプレゼントとしておつけした
小冊子に収録してあるお話です。

当初はこちらの他にもいくつか企画を用意する予定だったのですが、
数日前から体調を崩してお医者さまから一週間ほど
おとなしくしてるよう言いつけられてしまいました。

痛みは治まりましたし、
最近のこびとの持ち芸みたいなものなので、
ぶっちゃけ大したことはないんですが、
現在念のための検査の結果待ちと言うのも手伝って
家族にがっちり見張りシフトを組まれてしまい
想像以上に身動きが取れません(T ^ T)

なので、本当はいつもみたいに一日限定で
皆様に「こんなん一日で読めるかーww」と
笑っていただけるような奴をお祝い(嫌がらせ?)企画で
あげる予定でいたのですが、もしかしたら…間に合わない可能性が。

とりあえずお祝いSSはこれあるし、ごめんね、アスラン。
代わりに来年のカガリ様のお誕生日に
盛大にお祝いさせて貰うから許してね!とか最低な言い訳をつぶやいています。
(それに、今書いてるのも単に書きたくて書いてるだけで
お誕生日関係ないしな…当日賑やかにしたかっただけだから、
後日でも支障ないんだよなあとか身も蓋もない裏事情もあったりもして・汗)

何故このタイミングで体調悪くするかなあと後悔することしきりですが、
間に合わなかったら「見張りが厳しかったか!」と笑ってやってくださいw
そして、アスランさんお誕生日をおめでとうございます!
今年もカガリ様と貴方を大好きな皆さんと幸せな一年をお過ごし下さいv
いつも幸せをありがとう。
もっともっとお二人に良いことがありますように♡

〈奇跡のようにありふれた~10月29日~〉

「お帰り、アスラン。今日は珍しく早かった……って、うわっ!
ちょ……待てよ。帰ってくるなり何すんだ、おまえ!」

ただいま。今日も一日頑張りましたと一人呟いたアスランが、
いつもと同じく単身官舎の認証キーを打ち込んで扉を開けたその前に、
にこにこと笑顔で駆け寄ってくるまさかの小柄なシルエット。

それが愛しい彼女であると気づいてしまえば、
どうしたって勝手に伸びる自身の腕を止めることができなくて。
アスランは目の前にある華奢な身体を物も言わずに抱き寄せた。

「どうしたんだ?急に家まで来てくれるなんて、珍しいな」

と言うか、確か今週は、公務で海外だったのではなかったろうか。
何故それなのに彼女がここに?
しかしそんな疑念より滅多に会えない恋人が
目の前にいてくれることが嬉しくて、
アスランは 焦った風に暴れだす照れ屋のカガリを押さえ込み、
可憐な耳朶へと囁いた。

「だって今日、誕生日だろ。アスランの」

「え?」
きょとんとアスランが目を見張る。
カガリがやれやれとため息をついた。

「……もう。やっぱ今年もそんなかよ。
朝一度、メールで伝えたはずだがな」
「ごめん、今日朝から忙しくて、私信はチェックしてなくて」

「なら、ご飯食べたら見ておけよ。
キラとかラクスとか、もしかしたらイザークだとかシンだとか」

日頃からお世話になってる人たちが、
おまえを気に掛けてくれてる可能性大なんだからと、
エプロン姿で片手にお玉を携えた、どうやら彼の為に
夕食の準備をしてくれていたらしい姿の割には男前な彼女に諭されて、
あるんだろうか、そんなことと不人情にもほどがあることに、
アスランは面倒くさそうにため息をついた。

「こーら。帰ってくるなり溜息つかない!」
「はい」

「メールと着信、絶対見ろよ」
「はいはい、わかりました」

「返事もちゃんとするんだぞ?」
「……うん、わかったから」
まさにどうでもよさそうに、おざなりな返事を掛けてくるアスランに、
背後からカガリが手に持ったお玉を差し付ける。

「もうっ、そんなんだから
皆から薄情だなんだって言われるんだ、おまえって奴は」
他人から何と思われようと俺は全然構わないしとの
身も蓋もない本音を口にして、彼女から叱らようとは、
さすがアスランも思わないけれど。

「だって俺は、カガリさえいてくれるなら、それで」

「だーかーらー。そんなんじゃ、駄目だって言っている。
今は仕事で忙しいから、あまりピンとこないかもしれないけれど、
人間年とともに友達なんか減る一方だって話だぞ?」

それを思えば若いうちから気に掛けてくれる友達を、
大切にしておくべきなんだ。

「どうせおまえのことだから、
私とかキラとかいたら十分だって思ってるのかもしれないけれど、
私だってキラだっていつもいつもおまえとばっか
つるんでるわけにはいかないんだから。
そもそもアスランも私も変則的な仕事だし、
突然友達増やそうったって、急には拾えないんだからな?」

言いながら、甲斐甲斐しくも彼の着替えを抱えてついてくる、
まるで新妻もかくやのカガリを嬉しげに
こっそり横目で確かめて、
アスランは彼女に振り返ると瞳を眇めた。

「ただいま、カガリ。来てくれて嬉しい。
久しぶりに君に触れさせて?」

意図的に低めた声でねだってやれば、
案の定彼に甘い恋人は、しぶしぶながら瞼を閉じてくれた。
アスランからの嬉しげな口づけを受け止めながら手を伸ばし、
制帽に収められていたことにより、
いつもより力なく汗に張り付いたアスランの髪を、
優しい手つきで梳かしてくれて。

「何だか今日は埃まみれだな。
外はそんなに暑かった?もしかして凄く忙しかったのか」
カガリが案ずる風に囁いた。

「うん。少し」
甘える仕草でカガリの金糸に鼻先を埋め、
優しい香りを吸い込んだアスランが、
ご満悦の表情で頷きを返す。

「そっか。そんなに仕事立て込んでたか。
疲れただろう?そう言えば、
目の下うっすらとだけど隈になってる。
このところあまり寝てないんじゃないか」

大丈夫か?とカガリがアスランの背中をよしよしと撫でる。

「急に来ちゃって悪かった。ご飯食べたら寝ていいぞ。
とりあえず風呂だけ入ってこいよ。
その間に食事用意しとくから」

私は気にせず食べたら寝ろと腕の中からカガリに言われ、
やめてくれ。そんなのごめんだ。
冗談じゃないとアスランが口を尖らせる。

「やっとカガリに会えたのに」
「でも凄く疲れているんだろ?実際かなり眠そうな顔だ」

「……横になるのは嬉しいけれど、
どうせ寝るならカガリと寝たい。
それに俺、言うほど疲れてはいないから」

腕へと収めたしなやかな身体をひょいと抱え上げたアスランが、
居間へと続く廊下を歩きながらそう言えば、
慣れた仕草でアスランの首に腕を回し、
ぎゅっとしがみついたカガリが彼のうなじにこめかみを預けた。

居間のソファーに降ろされて、することあるか?とアスランに尋ねられる。
大丈夫。料理の用意は済んでるし、
特にないから気にしなくていいぞとカガリが明るく返事をすれば、
すかさず彼女のエプロンの結び目に手を掛ける、
ちゃっかりもののアスランがいる。

「おい。私はさっき何て言った?」
「疲れているなら食べて寝ろ?」

「そうだ。なのにおまえは何をしてる」
「久しぶりに好きな女の子に会えたから、
ここぞとばかりに交流を深めておこうかなって思ってる。
それくらい、別におかしかないだろう?」

呆れた風に息をつくカガリの反応になど構いもせずに、
上着を脱ぐのももどかしくカガリの隣に座を占めたアスランは、
ソファの隙間、狭いスペースに無理やり身体を割り込ませた。

背中越し、彼女の肩へと手を回し、
襟元から不埒な掌を差し入れてこようとするアスランを、
カガリの片手がパチリと叩いた。

「やめろって。まずは風呂。出たらしっかりご飯を食べろ。
それだけ済ませて、まだその……おまえが是非にって言うんなら。
今日はおまえの誕生日だし、
付き合ってやらないこともない、から、さ……」

「本当?」
「……くどい」

言うなりカガリはアスランから視線を逸らし、
可憐な頬を膨らめる。
元気よく跳ねた輝く金糸から僅かに覗く彼女の耳が、
うっすらと赤く染まっている。
それを見て、嬉しげに笑み溢れたアスランが、
納得を浮かべカガリの身体を手離した。

「入ってくる。もしよかったらカガリもどう?」
「調子に乗るな」

「残念。じゃ、なるべく早く上がってくるよ」
笑って言ったアスランに、
パチンともう一発愛らしい拳をぶつけてのけて、
少々乱れた衣服を直した恋人は、素早く居間を後にした。

「逃げなくたっていいだろう?」
くすくすと笑うアスランの声が、カガリの背中を追いかけてくる。

「誰が逃げるか。料理の様子を見るだけだ」
負けず嫌いのカガリから、間髪入れずに応えが返った。

どうしよう。可愛い。
彼女の照れ隠しに、性懲りもなく笑いが漏れる。
出会って何年になるだろう。
お互い仕事の虫だから、想いはあっても
滅多に二人で過ごすことは、変わらず叶わないままだけど。

いつまで経っても愛らしい、焦がれてやまない大切な彼女。
そんなアスランにとっての至高の人が、
家で自分を待っていてくれる。

「……参ったな」

忙しくカガリの動き回るキッチンカウンターを
こっそり横目で伺ってみれば、
綺麗に皿に盛りつけられた美味しそうな料理が
これでもかと並べられ、アスランの訪れを待っていた。

本当にどんな奇跡だろうかと思う。
こんなにも嬉しい幸せを安々と手に入れられるほど、
アスランは立派な人生は送っていない。
神様はどれほど彼に甘いのだろうか。

「いや、単にカガリが神様に愛されているだけか」

だた彼女へのご利益のお裾分けで
これほどの恩恵に預かっているのだとしたら、
このところのアスランの日々は少々恵まれすぎている。
そろそろバチが当たらねばよいが。

いつもだったらボリュームがあって
かなりがっちり香辛料の効いた、
カガリ好みの炒め物等が食卓の上には上るのに。
疲れて帰るだろうアスランに配慮して、
栄養のある、しかしあっさりとしたものが食卓を占める。

殻ごとマリネしてグリルで焼いた
大ぶりの海老と柔らかく茹でたジャガイモと
カボチャを軽くフォークの背で潰し、
小麦粉と混ぜで丸めて作ったニョッキを
オイルで揚げておろし玉ねぎ入のドレッシングで和えた前菜と、

塩とオイルととワインビネガー、
薄切りにしたニンニクを合わせたものに
前もって漬け込んだ鶏肉を、
グリルで二十分ほど焼いて削ぎ切りにして
クレソンと香味野菜のサラダを添えたもの、
白インゲンとブロッコリー、玉ねぎや人参、
ズッキーニの角切りをスモークした鴨肉と
一緒にコンソメ入のスープで固めたゼリー寄せ。

デザートには
アスランの好きな桃を冷やしてあるからと、
当たり前のように告げられて、
アスランは知らず笑み溢れた。

どう見ても和食であるとは思えないのに、
何故か白米を山盛りにした飯茶碗としじみの味噌汁、
小皿に盛られたしば漬けが、
箸と一緒に置かれているのはご愛嬌だ。

嬉しそうに、カガリの心尽くしを平らげてゆくアスランを、
テーブルを挟んだ向かい側、
カガリはニコニコとご機嫌な笑顔で眺めていた。

「美味いか?」
「あぁ、とても」

「嫌いなものとか混じってないか?」
「平気」

「……アスラン。おまえ、実はクレソン嫌いだろ」
「え?」
そんなことないけどと首を傾けるアスランに、
カガリがニカリと笑みを浮かべる。

「でもさっきから、それ食べるときだけ
やたらと無口になるじゃないか。
水も一杯飲んでるし」
「……そんなわけ……」

「ない?」
「なくも、ない……」

気まずげに視線を惑わすアスランを見つけ、
カガリが楽しげに微笑んだ。

「避けちゃっていいぞ。私クレソン好きだから。
その代わり、ベビーリーフとパプリカを食べろ。
こっちは別に平気だろ?」
「……ごめん」

「いいって。おまえって、好き嫌いとか言わないし。
今更だけど、そう言うのわかって嬉しかった」
柔らかに表情を綻ばすカガリを見止め、俯くアスランが頬を染める。

「……まったく、君って奴は本当にもう」
手に負えないといきなり箸を置いたアスランは、
テーブル越しに手を伸ばすと、カガリの頬を引き寄せる。

「んっ、アスラ……ちょ……だめだって、おい!」
「何が駄目?」
「だって、ここじゃ……」

明るいじゃないかと視線を逸らすカガリを抱いて、
たまにはいいだろとアスランが吐息をともに囁きを送る。

「ここじゃ嫌?」
「嫌ってほどじゃ、ない、けど……」

でもここだと次に来たときに、
色々思い出して恥ずかしいじゃないかと
可哀想なくらい頬を染め、照れたカガリが俯いた。

一先ず彼女の言うことに、大人しく従ったアスランを
食後のコーヒーとともにダイニングに残し、
キッチンで洗い物に励むカガリのもとへ、足音を殺した彼が忍び寄る。

背後から突然アスランの腕に包み込まれて、
ばしゃぱしゃと湯を跳ねさせるシンクの前で、
驚いたカガリが息を飲んだ。

彼女の肢体を囲い込んだ彼が、
シンプルなエプロンの上から感じやすい胸の尖りを指先で嬲る。
今はカガリが抵抗できない状態であるのを良いことに、
掌で撫でたり摩ったり摘み上げたり、
アスランは衣服の上から可憐なそれを弄んだ。

執拗に触れられ続けた頂きは、ぷくりと艶かしく立ち上がる。
見せつけるようにそれを背後から持ち上げられて、
カガリが堪らず彼を睨んだ。

「駄目?」
「当たり前だ。今私は洗い物の途中だろ」

「そんなのあとで俺がやる」
華奢な身体が持ち上げられて、アスランと向かい合される。

出しっぱなしの水道に片手を延べ水を止め、
愛しい香りと柔らかさに誘われるように、
アスランがカガリの纏うエプロンの上から唇をつけ、
目の前にある膨らみをそっと優しく吸い上げた。

「あっ、だから駄目だってっ、んんっ!」
悪戯な翡翠がカガリを見上げる。
更なる不埒を仕掛けようとするアスランに、
慌てふためくカガリの腕が抵抗を示した。

しかしアスランの力にカガリが敵うわけがない。
難なく抵抗を封じられ、カガリが悔しげに彼を睨んだ。

胸の尖りを押し潰し、カガリに声を上げさせたのちに、
そろそろとアスランの掌が熱くなった彼女の首筋を辿る。
顕な鎖骨をつい挙げられてカガリの眉が寄せられて、
上半身が正面のアスランに縋りつく形で傾けられた。

そのままエプロンを捲り上げ、
スラックスのウエストを緩めたのちに、
アスランの指がカガリの下着に差し入れられる。
宥めるように優しく下肢を撫でられて、深く唇を重ねられる。

呼吸すら奪ういきおいで貪って、
ゆっくりと唇を離してやれば、
カガリがくたりと身を寄せた。
艶めかしくも急いた呼吸を繰り返すカガリを抱いて、
アスランは赤く染まった耳許に確信犯の囁きを送る。

「ね?たまには悪くないだろう?」
「……おまえ、人の話を聞かなすぎ」

ぐったりとこめかみを預けるカガリの身体を抱いて、
アスランはそのまま寝室へ向かう。
できるなら、あの場で続けてしまいたいとも思ったけれど、
今ですら羞恥に頬を染め上げるカガリだから、
このやり方を強いたら最後、
のちのち強くアスランを責めるだろうことは想像に難くない。

それどころか万全の準備ができたその瞬間、
そっぽを向かれてしまう可能性だってなくはない。

……少しなら、無理やりめかして襲うのだって
悪くはないと思うけれど、
わざわざアスランの誕生日祝いに出向いてくれた彼女なのだ。
久しぶりの逢瀬、調子に乗って、つまらない喧嘩などしたくない。

「大丈夫?調子に乗って無理言ってごめん」
「……いいよ。おまえの性格はわかってる」

「水でも飲むか?」
「飲む」

「了解」
最初は単に照れているだけかと思っていたが、
アスランの先ほどの手出しでよほどに疲れさせてしまったらしい。

彼女を腕に抱いたまま、
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、
まずは彼女を丁寧にベッドに降ろす。
ミネラルウォーターを口に含んで唇を重ねれば、
彼女にしては珍しく大人しくそれを受け入れてくれた。

目的が達せられても重ねた唇は離さない。
甘い口内を舌で探り、腕を伸ばしたアスランは、
カガリを無言でベッドの上へと組み敷いた。

カガリが腕を延べてくる。
アスランが思わず瞳を緩めて見下ろせば、
カガリが頬を染めたまま、柔らかな笑みを浮かべてくれた。

「ありがとな。疲れてたのに悪かった」
「いや……」

そのあまりの無垢な彼女の様に、
何となく毒気を抜かれ、アスランはカガリをじっと見つめた。
そんなアスランを満足そうに抱き締めて、
カガリがアスランのうなじに鼻先を埋める。

もしかしてカガリは、このまま何事もなく
大人しくアスランを寝かせるつもりでいるのだろうか。
まさか。でも、彼女なら有り得ると
アスランは唖然とカガリを見つめる。

「今日くらい早く寝ろよ。変に気を遣わせて悪かった。
メールや電話は私が取ってやるからさ。
アスランの頑張りは本当に凄いと思うけど、
身体壊したら、やっぱ元も子もないからな?」

堪らなくなってカガリの細い身体をかき抱いた。
しばらくその体勢でじっとして、
アスランもカガリの肩口に鼻先を埋めていると、
カガリがよしよしとアスランの後ろ髪を撫でてくれる。

そんな風にしてアスランに健やかな休息を促してくる癖に、
彼がぐずぐずと未練げに愛しい恋人に唇を寄せ重ねれば、
拒むでもなく微笑みながら
積極的に舌を絡ませてくるのだから、
本当にたちが悪いと思ってしまう。

幾度も唇を貪って再び身体を入れ替えて、
シーツの上に押し付ける。
駄々を捏ねる子供を持った母親のごとく、
カガリが小さく息を吐いて、アスランを見上げる。

「寝る時間、なくなっちゃっても知らないぞ?」
「それってつきあってくれるってことなのか?」

「て言うか白状すると私の方は、
ずっとアスランが欲しかったから」
このところ、全然会えてなかったろ?と
照れ臭そうな視線を揺らし、カガリが甘く囁いた。

「今日は誘う気満々だった。
だけど帰ってきたおまえを見たら、とてもじゃないけど
夜更かしさせていいような顔色じゃなくて。
だからなるべく刺激しないで寝て貰おうと思ってた。

なのにおまえときたら、こちらの都合も考えず
寝た子を起こすようなことばかり。
いい加減襲ってやろうかと思ったぞ?」

気のいい彼女が彼の希望を叶える為に、
言ってくれていることはちゃんとわかっているけれど。

「俺からしたら、このまま大人しく寝ろとか言われる方が
遥かに拷問なんだけど」
アスランは満面の笑みを浮かべる

「でも、ちゃんと休んでくれないと、
心配なのは事実だから」

「大丈夫。必要なときにはきちんと休む。
言っただろ?言うほど疲れていないって。
どっちかって言うと、
ここでお預けされる方が睡眠不足になりそうだ」

カガリの不安を受け流す様に、
アスランは甘やかす仕草で彼女を撫でた。

カガリが嬉しそうにアスランの掌に擦り寄ってくれる。
額を寄せたアスランが、
慣れた仕草で彼女の衣服に手を掛けた。

明かりを落とした寝室に甘く響いた愛しい声を聞きながら、
アスランは、あとどれくらいこの大切な存在に
溺れていることができるだろうかと、
こっそりと枕元のデジタル表示を確かめた。



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