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「お帰り、カガリ」

「ただいま、アスラン!うーん、悔しいぞ。
今日こそは先に帰っておまえを迎えようと思ってたのに。
お疲れ様。暑かったし、
雨も降ったし今回は大変だったろう?

腹減ったろ。今すぐ夕飯作るから。
今日はアスランの好きなロールキャベツと
カニクリームコロッケだ!

あと、ワインも冷えてる。白と赤両方。
ちょっと待ってな?あとは温めるだけなんだ。
すぐに準備できるから」

「そんなに慌てなくても平気だよ。
俺まだそこまで腹はすいてないし」
「え?そうなのか?」

「うん。それよりも、カガリの顔を見せて欲しい」
「あ……」

言いながらソファをぐるりと回り込んで
ゆっくりと両手を広げて近づいて来るアスランに、
カガリが照れくさそうに頬を染める。

「お、お帰り、アスラン」
「ただいま帰りました。会いたかった」

「うん……私も」
笑顔の夫に抱き締められて、
カガリがアスランの胸へと顔を埋める。

アスランの掌がカガリの頬を包み込み、
幸せそうに口づけて。
ややあって、ゆっくりと口を開いた。

「俺、明日の午後から四日連続で休みなんだけど」

「あ!だよな、演習中の振り休だろ?よかったなあ。
やっとゆっくり眠れるな!」

「うん。で、カガリの日程はどんな感じ?」
「へ?」

「もしかして一日くらい二人で過ごせる日はないかなあって」

「そ、それなんだけど。あのな、アスラン!」
ちょうどいいところで話が出たとばかり、
カガリが小さく拳を握る。
「あのな?えぇと……その、私……」

いきおいこんで言いかけたものの、
突然カガリは不安になった。
まずい……勝手に旅行なんて大騒ぎして見たけれど、
アスランは二週間の野外演習で連日仕事だった。

まして今回の行程は不眠不休に近かったはず。
さぞや疲れているだろう。
やっと休暇が取れるのだ。
可能なら今すぐにでも横になって体を休めたいに違いない。

「なのに、私と来たら。なんて自分本意な我が儘を」
我に返って呟いて、カガリは思わず俯いた。

「何?」
なにも知らないアスランが、不思議そうに声を掛けてくる。

「い、いや……ごめん、何でもない。気にしないでくれ」
「そう?なら俺から提案なんだけど。
明日から、二人で旅行に行かないか?」

「……え」

「キサカさんに帰りがけ教えて貰ったんだ。
今回の休みは演習の振替休日もくっつけて、
土日も含めて五日間、連休を許可して貰えるって。
だからカガリと旅行にでも行けたらいいと思ったんだ。

もしできるなら足を伸ばして遠くまで。
実質新婚旅行みたいなものだから、
二人きりだとかわざわざ言うのは
おかしいかも知れないんだけど、

こう言うの、考えてみたことなかっただろう?
カガリの休みが合えばだけど。どうかな」

照れくさそうにアスランが言った。

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