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「メイドさん達はわかるけど、何でディアッカ?
あ、なるほど。ディアッカもあと二ヶ月で結婚だもんね」

「ディアッカじゃなく、ミリアリアの方に聞いてみれば
よかったんだろうか……」

「いやいやいや。もしミリイに聞いたら、即座に通信を切られたと思うよ」
「だよな。となるとあと聞けそうな奴って言ったらさ。
もうおまえくらいしか残ってないじゃないか」
「そっかあ」

それでこちらにお鉢が回ってきたってわけか。
面倒なことをとの正直な本音は口にせず、
キラは表向き姉に親身に一緒に悩んでいるふりをしながら、
どうやってこのくだらない状況を切り抜けたものかと
こっそり思考を巡らせる。

「無難なところで手料理は?」

「うちはつきあいが長いから、前から結構作っているし、
食べ物関連は特に珍しくもないんだよ。
それにぶっちゃけアスランの方が手際がよくて、
手の込んだ料理をご馳走してくれることが多い」

「うーん。そう言うとこアスランってホント損な人だよね。
自ら進んで幸せの種を根こそぎ潰していくタイプ?」

と言うか何故カガリは今更新婚らしいこと、
なんて言い出してるの?
そっちの方が僕には謎とキラが真顔で首を捻れば、
神妙な顔になったカガリが画面の前で頬を染めた。


「あのな。こんなに長くつきあってきて、
今更馬鹿かって言われちゃうかもしれないんだけど、
私アスランに、結婚できた今だからしてやれる、
叶えてやれるみたいな特別な事をしたくてさ」

「特別な、こと?」

「アスランには長いこと不自由を掛けて来た。
我慢も辛抱も沢山させた。しかも、全部私の都合でな?
だからさ。夫婦になれた今だからこそ
あいつの為にしてやれる……
やっと私の夫になってくれたアスランに、
あいつの奥さんになった私だからこそできること
って言うのをさせて欲しいと思ってさ。

あとほら、後になって思い出したとき
『新婚時代は楽しかったなあ。結婚してよかった』
みたいに言って貰えるような、
とっておきの思い出をあいつの記憶に残したくて」

「相変わらず、僕の姉さんは格好いいね」
「何だよ、それ」

「褒めてるんだってば」
ぷっくり頬を膨らめた愛らしいカガリを見つめ、
キラが柔らかに微笑んだ。

「じゃあさ。二人っきりでゆっくり旅行にでも行くのはどう?」
「旅行?」
きょとんと首を傾げられ、キラがにこにこと笑顔を見せる。

「新婚旅行、まだなんでしょう?
結婚してすぐ行ったのは、
各国へのお披露目みたいなものだったわけだし。
アスランとカガリって本当の意味で
二人きりの旅行ってたぶんしたことないんじゃないの?

結構楽しかったよ。
僕ら長めに休み貰って行ったけど
正直とても新鮮だった。
だから、人目も気にせずスケジュールとか外交とか、
ややこしいことは一切なしで
アスランと過ごしてきたらいいんじゃない?

君たちは僕らと違って謙虚だから、
あまり長い休みを申請するとか
勇気ないかもしれないけどさ。
でもそう言うのって、
きっと今じゃないと難しいんじゃないかと思うけど」

アスランとカガリのことだから、
あっと言う間に赤ちゃんできて、
当分二人で旅行になんか行かれない、
なんて話になっちゃうような気もするし。
胸の内、こっそりとキラが呟いて。

「凄いぞ、キラ。
確かにおまえの言う通りだ……」
彼の言葉を終わりまで待たず、
カガリが嬉しげにキラへと大きく両手を広げた。

「ありがとう。キラ、やっぱりおまえは頼りになるな」
画面越しでなかったら、
間違いなく全力で抱きついて感謝して貰えただろう
最上級のカガリの笑顔。
キラは大満足で彼女を見つめた。
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