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「じゃあ、何であいつはあそこまで
具合悪そうになってたんだ?」

「理由ねぇ。身も蓋もないことを言っちゃえば、
単にアスランの方に度胸がなかっただけじゃない?」

「そうかなあ。私としたらあいつって、
度胸とか覚悟とか言ったものは並みの人間より
あるんじゃないかと思うけど」

「それは仕事上での話でしょ?
僕が言ってるのはプライベートでのスキルの話。
戦場での判断は苛烈なくらい的確なのに、
プライベートだと悩みやすくて一周回って一番損な選択肢選んじゃう
運のない人がアスランでしょう?」
「……まぁ、そこはそうだな」

「本当は欲しくて堪らない癖をして、
カガリの前だと見栄張って、涼しい顔して断って、
後でこっそり落ち込んでるとかあったりしない?」

「なるほど、言われて見ればそうかもしれない」

「だからね。今回のこれも、
アスラン一流の悪手の一種と言うか、
ここぞのときの瞬発力のなさと、
虚勢とやせ我慢の結果だと思う」

想定外の事態に取り乱して思わず断っては見たものの、
今頃は千載一遇のチャンスを逃した自分に
地の底までめり込んでるんじゃない?と肩を竦めたキラが言い、
そんなものか?とカガリが可憐に首を傾げた。

それにしても、アスランって本当に馬鹿だよね。
意気地がないにもほどがある。
無事結婚できた今となっては、
その気になれば
いつでも見せて貰い放題のはずの愛妻の裸。

それに結婚前だってあれだけ延々おつきあいしてたんだから、
身内の僕としてはあまり考えたくない話だけれど、
そこそこ機会はあっただろうに。

しかもカガリはちゃんとエプロンつけててくれるんだから、
見えたったって首とか肩、よくて足下くらいでしょ?
旦那さんの癖に、愛する奥さんのセミヌード程度で逃げるとか。
恥かしいにもほどがある。
ここで一回盛大に喜んで見せとけば、
カガリは結構気が良くて単純なところもあるからさ。

次からはこれを特別な日の定番サービスにしてやれば
アスランの機嫌がいいのかな?ってくらいの解釈で、
お約束の一つに入れてくれる可能性だってあったのに。

「って言うか、僕なら絶対
そこできっちりねだっておくけどな。
ほんっと馬鹿。貧乏性。
そんなんだから新婚の可愛い奥さん、
にこんな恥ずかしい心配掛けたりするんだよ」

げんなりと肩を落としたキラが言い、
カガリが何故か、すまないなあと頭を下げた。

「本当にごめんな。
よくはわからんが疲れさせたみたいで」

「カガリは全然気にしなくていいよ。
単に僕が勝手にアスランに失望してただけだから。
もしかしたらタイミングが悪かっただけかもしれないよ?
その日はちょうと疲れてたとか。
ま何か仕事で厳しいことがあったとか。
カガリさえ嫌でなかったらなんだけど、
またいつか機会があったら仕切り直してやってみたら?」

アスランきっと喜ぶよと、仕方なく
不憫な親友と可愛い妹の仲を取りなすキラに、
カガリがほっと安堵の息をついた。

「ならいいけど。せっかくメイドたちや、
ちょうどこっちに仕事で来てた
ディアッカに助言を受けてみたのにさ。
まぁ、人それぞれって言うもんな」

こんなことなら最初から、アスランのエキスパートの
キラに聞けばよかったとカガリが言って、
いや、それもどうなの?って言うか僕、
この手のデリケートな話題を身内から振られるのって、
あんまり好きじゃないんだけどと渋面を作ったキラが答えた。


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